こんにちは。元ピラティスインストラクターで、現在はWebライターとして活動しているジュリーです。
インストラクター時代、多くの子どもたちのレッスンを担当してきましたが、最初から順調だったわけではありません。
「あと何分で終わる?」
「もう疲れた」
そんな言葉をかけられることも多く、ピラティスのゆっくりした動きは、子どもにとって退屈に感じやすいと実感していました。
どうすれば楽しんでもらえるのか。集中して取り組んでもらえるのか。
試行錯誤を重ねる中で、少しずつ子供たちの笑顔が増え、集中して取り組んでくれるようになりました。
この記事では、その経験をもとに、子どもがピラティスを苦手だと感じる原因と、楽しみながら取り組んでもらうための工夫を紹介します。
1.なぜ子供はピラティスを苦手と感じる?【よくある原因】
ピラティスの重要性は理解できても、それを子供に伝えるのは至難の業です。
私が20人以上の子どもを指導してきた中で感じた子どもが退屈や苦痛を感じやすい原因を、ここから整理していきます。
①動きがゆっくりでつまらないと感じやすい
ピラティスは、深い呼吸のリズムに合わせて行うエクササイズのため、動きは基本的にゆっくりです。
そのため、子どもは退屈に感じやすく、「もっとゆっくり」と伝えるほど、表情がつらそうになることもありました。
だからといって速く動かせてしまうと、それはピラティスではなく、筋トレになってしまいます。
この「ゆっくり・丁寧・呼吸を止めない」という特徴こそが、子どもにとって退屈さや苦しさにつながりやすい要因だと感じています。
②専門用語が多く、理解しづらい
もう一つの大きな原因が、専門用語の多さです。
正直なところ、大人でも「ピラティスは難しい」と感じる方が多く、レッスン中は、「骨盤をニュートラルに」「肩甲骨を下げて」といった専門用語のオンパレードです。
子どもにとっては、なおさら難しく感じてしまうでしょう。
とはいえ、子ども相手だからといって、専門用語を全く使わずに指導するのも現実的ではありません。
そのため私は、基本的な用語は少しずつ覚えてもらいながら、できるだけ噛み砕いた言葉で伝えるようにしていました。
③深い呼吸で眠くなりやすい
もう一つの原因は、「眠たくなってしまうこと」です。
ピラティスは深い呼吸を意識しながら行うため、副交感神経が優位になりやすく、自然と眠気を感じる方も少なくありません。
実際、大人のレッスンでも、途中でうとうとしてしまう方がいるほどです。子どもであれば、なおさら眠くなりやすいことでしょう。
さらに、ピラティスのエクササイズはスローで細かい動きが多いです。
それを1時間続けるとなると、子どもにとっては苦痛に感じてしまうのも無理はありません。
2. 原因は子供ではなく「指導法」にあった
ピラティスインストラクター2年目のある日、担当していた小学4年生の女の子から、「早く終わりたい」と言われたことがあります。
その一言は、当時の私にとって大きなショックでした。
「やっぱり、子どもにピラティスは難しいのかな」
そんな迷いが頭をよぎっていた頃、先輩インストラクターのレッスンを見学する機会がありました。
そこで目にした光景は、私の想像とはまったく違うものでした。
その先輩のレッスンを受けている子どもは、1時間集中を切らすことなく、レッスン後には達成感に満ちた表情をしていたのです。
その瞬間、はっきりと気づきました。
「ピラティスというメソッドに問題があるんじゃない。問題は、私の教え方にある」
そこから私は、先輩にアドバイスをもらいながらレッスン構成を見直し、海外のキッズピラティス動画も参考にしつつ、試行錯誤を重ねました。
すると、少しずつ変化が現れ始めました。
- レッスン中の笑顔が増えた
- 1時間しっかり集中して取り組んでくれるようになった
- 会話が増え、自然と信頼関係が築けるようになった
- 習い事での成果を報告してくれるようになった
- 学校や友達の話をしてくれるようになった
これが、私にとって最初のキッズピラティスでの成功体験です。
その後は、出張でジュニアスポーツ選手のグループレッスンを任せていただくなど、少しずつ新しいチャンスにもつながっていきました。
3. 子供が夢中になる!ピラティスの指導に取り入れるべき5つの工夫
ここからは、こうした変化につながった、私が実際に取り入れてきた具体的な方法をご紹介します。
① バランス系ワークで集中力を引き出す
キッズピラティスでは、フォームローラーやバランスクッション、バランスボールなどを使ったバランス系エクササイズが取り入れやすいです。
ただし、「バランス系=勝手に集中してくれる」というわけではありません。
大切なのは、毎回小さな目標を設定し、レベルアップさせること。
たとえば「前回は10秒キープできたから、今日は15秒に挑戦しよう」といった具体的な目標があるだけで、子どもの集中力は大きく変わります。
私はウォーミングアップとして、フォームローラーの上で基礎エクササイズを行い、片手を離す、両手を離すなど、段階的に難易度を上げていました。
レッスン序盤に“集中のスイッチ”を入れる方法として、とても効果的です。
また、集中力が落ちやすいレッスン後半に取り入れるのもおすすめです。
② 安全に配慮しながらピラティスマシンを取り入れる
子どもをマシンに乗せることに、不安を感じる方もいると思います。
これはあくまで私個人の考えですが、条件を整えれば、安全に取り入れることは可能だと感じています。
実際、小学4年生の女の子を担当した際、最初はマット中心でレッスンを行っていました。
理由は、子どもに合うサイズのマシンがなかったことと、バネのコントロールが難しいと感じたからです。
ただ、レッスンを重ねるうちに
「私もあのマシンに乗ってみたい!」
というリクエストが増え、思い切って一部マシンを取り入れてみることにしました。
結果的に、全体の3分の1ほどをマシンエクササイズに変更。
本人もとても嬉しそうでしたし、工夫次第で十分使えると感じました。
例えば、リフォーマーの場合は、その子の身長に合わせて以下の工夫をしてみてください。
・ショルダーパッドと肩の間にボックスを挟み、フットバーと胴体を近づける
・フットバーの脚の長さに合わせて調整する
・ストラップの長さを手脚の長さに調整する
③ エクササイズの「目的」をわかりやすく伝える
「なぜピラティスをするのか」
「なぜこのエクササイズを行うのか」
目的を伝えることは、とても重要です。
子どもだからといって、「楽しいだけ」で終わらせるのは、私はおすすめしていません。
私が担当していた女の子は、フィギュアスケートのスキルアップを目的に通ってくれていたので、「普段コーチに注意されることは何?」「どの技が一番難しい?」と、具体的に聞き、実際に動きも見せてもらっていました。
その上で、
「このエクササイズをすると、ここが強くなるから、この動きがやりやすくなるよ」
と伝えると、目の色が変わり、真剣に取り組んでくれることが多かったです。
目的が曖昧なままでは、大人でもやる気は続きません。それは子どもも同じだと感じています。
④ ダイナミックな動きでコントロール力を育む
小さくゆっくりした動きばかりでは、どうしても退屈になりがちです。
子どもにはエネルギーがあるからこそ、ダイナミックな動きの中でコントロールを学ぶことが大切です。
勢いやパワーだけで動くと、ケガにつながるリスクもあります。
だからこそ、
「ここは思いっきり動こう」「ここはコントロールしよう」
とメリハリをつけて指導していました。
ジャンプと着地を繰り返しながら、
着地はかかと→指の付け根の順
ジャンプ中は腰椎1番と尾骨をマットにつける
といった制限を伝えつつ、
「大きくジャンプしていいよ」「リズムよく!」と、動きの幅も与えます。
大きな動きの中でコントロールを学ぶことで、「安定すると、こんなに力強く動けるんだ」という体感にもつながります。
⑤例えを使ってイメージで伝える
エクササイズを説明するときは、できるだけ例えを使うようにしていました。
専門的な言葉をそのまま伝えるよりも、動きのイメージが浮かぶ表現の方が、子どもには伝わりやすいからです。
たとえばスパインストレッチでは、
「首の骨、肩甲骨の間、腰の骨の順に背骨を一つずつ動かします」と説明する代わりに、「背中がシールみたいに、ぺりぺり剥がれていく感じだよ」と伝えていました。
キャットストレッチのときも、
「胸を開いて、次は腰を丸めて」と言うより、
「はい、嬉しい猫」「はい、怒った猫!もっと怒って〜」
と声をかけながら進める方が、反応はずっと良かったです。
完璧な言い回しでなくても、イメージが伝わることの方が大切だと感じています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最初は、「子どもにピラティスを教えるのは難しいかもしれない」と、逃げ腰な私でしたが、今では子どもたちのレッスンを担当できたことを、本当に良かったと感じています。
さまざまなクライアントさんと向き合う経験は、間違いなくピラティスインストラクターとしての成長につながります。
うまくいかないと感じる場面こそが、学びのスタート地点。
ぜひ前向きな気持ちで、これからのレッスンに取り組んでみてください。


