こんにちは。ヨガ講師のHarukaです。
このコラムでは、生徒さんやフォロワーさんからいただいた「日々のリアルなお悩み」をもとに、私なりの視点やヨガ哲学のエッセンスを通して“心を整えるヒント”をお届けしていきます。
今回のご相談はこちら。
うーん…バランスの取り方って“正解“が人それぞれだからこそ、本当に難しいですよね。
「家庭も大切にしたい。でも、自分のやりたいことにも正直でありたい。」
あなたにとって仕事も家庭も、どちらも“愛するもの”。
だからこそモヤモヤもするし、心も揺らいでしまいますよね。
そのモヤモヤの正体は「いくつもの自分」
まずお伝えしたいのは、「モヤモヤ=悪」ではないということ。
むしろそれは、「心の奥底で本当に望み、願うことと、今の自分の生き方が少しズレてるかもしれない」と知らせてくれるサイン。
「母としての自分」「妻としての自分」「社会で働く自分」「個人としての自分」…。どれも大切なピースですが、ときにそれぞれの“役割の声”がぶつかり合って混乱してしまうからこそ、モヤモヤって生まれるんだと思う。
「もっと働きたい。でも家族も大切にしたい。」
「家庭を優先したい。でも自分の時間もほしい。」
そのどちらもが本音であり、どちらも正解なんです。どちらか一方を選ばなきゃいけないことなんてない。
この葛藤の奥にあるのは、きっと“どんな自分も大切にしたい”という想い。
だからこそ、モヤモヤするのは、あなたが「愛するものをたくさん持っている証」だと、発想の転換をしてみるのもおすすめ。そう思えたら、モヤモヤへの捉え方も少し変わるかも。

「自分の心を見つめる」ヨガ哲学の教え
モヤモヤをほどく第一歩は、自分の心を見つめ、観察すること。
「私は何を大切にして、本当はどう生きたいのか?」
「私は何が不満で、何が満たされていない?」
そう自分に問いかけるだけで、心の奥底に眠っていた“本音”が見えてくるもの。
たとえば、「もっと働きたい」という気持ちの奥には、
「自分の頑張りを認めてほしい」
「自分のペースを大切にしたい」
という小さな願いが隠れているかもしれません。
ヨガ哲学でいう「スワディヤーヤ(自己探求)」は、“外側を変えるよりも先に、まず内側にある自分の心の声に光を当ててみる”こと。
整えるなら、いつだって“まずは自分から”。
自分を知ることこそが、周囲との関係を整えるきっかけにつながるはず。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑨】スワディヤーヤは“自己対話”から本当の自分に気づくこと

義両親との関係で揺れたとき、思い出してほしいこと
義両親の言葉にモヤモヤするとき、そこには「相手を大事に想う気持ち」と、「自分を大切にしたい気持ち」が同時に存在しています。
義両親の言葉にはきっと、あなたや家族を想う優しさがある。けれど、その優しさと自分の望みがいつも一致するとは限らない。
そんなときに思い出したいのが「アパリグラハ(執着しすぎない)」の教え。
相手の意見を否定せず受け止めながらも、「私はどう感じている?」と自分の感覚を尊重してあげること。
100%受け入れるか、100%拒むか、ではなく、「義両親の言葉も受け止めつつ、自分を見失わない」ためには、今自分には何ができるか?を探ることで、お互いにとって最適な着地点が見つかるかも。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑤】アパリグラハ -手放すことで心が満たされる-
私の経験から:家族の言葉を受け取り、救われた日のこと
少し、私自身の話をさせてください。
ヨガと出会う前の私は、“仕事人間”そのものでした。
常に何かを成し遂げて、結果を出していないと不安。
休むことに罪悪感を覚えながら、ずっと必死に生きてきた。
でも、自分の声を無視し続けて、ついに何もできなくなった。
そんな「結果を出せていない」自分に対して、ある日義理の母がこう言ってくれて。
「はるちゃんが家でにこにこして生きてくれているだけで、家族みんな嬉しいのよ。」
その言葉に、驚きと共に涙が止まらなかったのを今でも鮮明に覚えています。
“なにかを成し遂げている自分”ではなく、“ただそこに在る自分”を認めてくれる人がいる。その事実は、私の心のこわばりをやさしくほどいてくれた。
そして夫も同じように言ってくれたんです。
「仕事から疲れて帰ってきても、はるが笑って出迎えてくれるだけで安心するし、すごく幸せ。」
私はこの言葉を受け取って初めて、「なにかを成し遂げてもいいし、成し遂げられなくてもいい。」と気づけました。
本来、頑張ることも、休むことも、どちらも等しく“生きる力だし、自分への愛そのもの”なんですよね。
相談者さんのパターンとは正反対のエピソードではありますが、根幹の本質は同じだと思うんです。
私がもしあのとき、義母や夫からの言葉を受け取らず、跳ね返していたら?
家族の優しさの真意には気づけなかった気がします。
“受け取る”ことは、負けることでも自分を否定することでもなく、「今の私に必要なことだ」と信じられる勇気と、受け入れられる柔軟さ。
これらは「サティヤ(正直・誠実)」や「サントーシャ(知足)」の実践でもあります。
“素直になる”ことは、愛を受け取り、愛をお返しすること。
自分を満たして周りを癒すことにもつながる、そんな愛の循環なのかもしれません。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑦】サントーシャ “今、ここ”にある自由と豊かさを再発見する

モヤモヤは「関係性を整えるチャンス」
モヤモヤしたときは、“誰かが悪い”と判断するより、“自分の中で何が揺らいでいるのだろう?”と見つめてみて。
ヨガの八支則の教えにある「プラティヤーハーラ(感覚の制御)」には、“外側の刺激から距離をとり、内側の静けさを取り戻す”という教えがあります。
この教えを活かして、まずは深呼吸をしてみたり、ヨガや瞑想、ジャーナリングといったアクションを取り入れてみるのもおすすめです。
自分を守れるのは自分だけ。
自分と向き合う小さな習慣は、人と人との関係性をやわらかく整えてくれる魔法だと私は思います。

>>ヨガ八支則(はっしそく)とは?なぜヤマニヤマの教えは大事なのか
まとめ|“いま”を生きるということ
仕事も、家庭も、自分も。どれもあなたにとって大切で愛しているからこそ、心は揺らぐもの。モヤモヤすることも、心が揺らぐことも、生きているからこそ味わえる尊いものです。
大切なのは、
・自分の本心を丁寧に見つめること
・相手の想いも尊重しながらも、まずは自分の軸を保つこと
・心に余白をつくり、自分のペースを守る努力をすること
「今の私が、一番大切にしたいことはなんだろう?」
そう自分に対して常に問いをもつことこそが、ヨガ哲学の実践にもつながっていきます。
完璧にバランスがとれなくてもいい。でも、ときに迷いながらも心の声に耳を澄ませるその姿勢をどうか忘れないで。
あなたの内側はいつも自分にぴったりの答えを持っているはずだから。
それでは次回の「暮らしに活かすヨガ哲学」もお楽しみに!
Haruka
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